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発達がわかれば関わり方がわかる

我が子がすくすくと成長してきて、毎日がすごく楽しくてこれからの成長に期待があると思います。
でも時々、今までには見たことのない行動や言動、体の変化などが見られたときに「どう関わっていけば良いの?」と戸惑ってしまう方は多いと思います。
あらかじめ発達がわかっていれば、今の子どもの成長に合わせて関わることができます!
この記事では6ヶ月~1歳までの子どもの発達と関わり方についてしっかりと解説していきますので、今後のお役に立ててください!
他にも赤ちゃんの発達についても書いているので、時期が合う方は参考にしてみて下さいね!


発達のめやす一覧

まずは6ヶ月~1歳の発達のめやすを一覧にしましたので参考にしてみてください。
身体発育値
- 体重
- 6~7ヶ月未満 男子8.01kg 女子7.52kg
- 9~10ヶ月 男子8.73kg 女子8.20kg
- 11~12ヶ月 男子9.09kg 女子8.54kg
- 身長
- 6~7ヶ月未満 男子67.9cm 女子66.4cm
- 9~10ヶ月 男子71.8cm 女子70.3cm
- 11~12ヶ月 男子73.9cm 女子72.3cm
- 胸囲
- 6~7ヶ月未満 男子44.2cm 女子43.0cm
- 9~10ヶ月 男子45.4cm 女子44.1cm
- 11~12ヶ月 男子45.9cm 女子44.6cm
- 頭囲
- 6~7ヶ月未満 男子43.6cm 女子42.4cm
- 9~10ヶ月 男子45.1cm 女子43.9cm
- 11~12ヶ月 男子45.9cm 女子44.7cm
- からだ
- 自由に寝返りができるようになる
- 「ずりばい」から「四つばい」さらに「高ばい」で移動する
- 1人で座れるようになり、座った姿勢で両手が自由に使える
- 物を一方の手から、他方の手へと持ち替える
- 小さい物を指先でつまむ
- つかまり立ちから、伝い歩きもできる
- 物を容器に入れたり出したりする
- 両手に物を持って打ち付けたり、たたき合わせたりする
- ことば・こころ
- 人見知りが激しくなる
- 特定の人に対しては積極的に関わろうとする
- 喃語に変化が生じ、ますます盛んになる
- 欲しいものがあると、声を出す、表情を変化させるなどで表現する
- 「マンマ」など要求をともなった単語を発する
- 見つけた物や人を指す
- 「ちょうだい」と言われる声に応じて物を手渡す
- 鏡に映った自分がわかる
- 生活習慣
- 離乳食は1日2回(7~8ヶ月)
- 離乳食は1日3回(9ヶ月~)
- 昼間は2~3回睡眠
- 排尿間隔が長くなる
上記はあくまでも平均値なので、参考にしてみてください。
6~9ヶ月の発達のめやす【からだ】

6~9ヶ月の身体の発達を見ていきましょう。
お座りの姿勢からハイハイが始まったり、手指の使い方が増えたりと身体の発達が目覚ましい時期です。
自分で移動できる喜びを覚え、それに伴って知的好奇心も盛んになります。
手指の使い方が増える
物をつかむだけでなく、物を持ち替えたり、両手で違う動きをしたりができるようになります。
また、自分の意志で物をつかんで離すこともできるようになり、この時期は日に日に手指の使い方が増えていきます。
- 6~7ヶ月頃:一方の手から一方の手へ持ち替えることげできる
- 7~8ヶ月頃:親指とその他4本の指で物をつかむ
- 8~9ヶ月頃:両手を打ち合わせる、自分の意志で持った物を手離す
たった3ヶ月で手指がとても器用に動くようになり、自分の意志で動かせるようにもなってきましたね!
お座りができるようになる
背中や足腰の筋肉や運動神経が発達し、背筋をまっすぐに伸ばすことができるようになると、お座りができるようになります。
座ることで視線が高くなるため、今までとは違う景色が見られることで好奇心がますます旺盛になっていきます。
6~7ヶ月ごろ・・・両手を前について支えながら、または大人に支えられながらお座りができる。前に倒れやすいので介助してあげましょう。
7~8ヶ月ごろ・・・手で身体を支えなくても、安定したお座りができるようになる。さらに、お座りをしたまま両手を使うことができる。
歯が生える
歯が生える時期は早くて4ヶ月ごろ、遅くて1歳ごろと大きく個人差があります。
一般的には7ヶ月ごろが最も多いとされています。
最初に下の前歯が2本、次に上の前歯が2本生え、3歳ごろには全ての歯が生えそろいます。
歯が生え始める時期は、歯や歯茎がむず痒くなるため、より一層おもちゃなどを口に入れて噛む傾向があります。「歯固め」ができるようなソフトな素材のおもちゃを用意しましょう!
ハイハイで移動する
お座りができるようになると、次はハイハイです。
一般的にはハイハイには段階があり、最初は「ずりばい」、次に足や腰の運動神経が発達すると「四つばい」、さらに「高ばい」へと変化していきます。
段差や小さな障害物を乗り越えることができ、行動範囲がさらに広がります。
- ずりばい(7~8ヶ月ごろ)・・・腹ばいの姿勢のまま腕や足を上下に動かして前に進みます。最初は前に行くのが難しく後ずさりする場合もあるので、おもちゃを目の前に掲げるなど興味を引きながら前に進めるように誘ってあげましょう。
- 四つばい(8~9ヶ月ごろ)・・・両手と両膝を地面につけて、お尻を上げながら前に進むハイハイ。足や腰の筋肉が発達することでできるようになります。
- 高ばい・・・お尻を高く上げて、膝をつけず、地面に両手と足の裏をつけて移動するハイハイ。足や腰の筋肉が発達した証拠であり、立つまであともう少し。慣れるととても早く移動することができます。
9~1歳の発達のめやす【からだ】

手指の動きはますます細かくなり、つかまり立ち、伝い歩きなどが盛んになるなど、身体能力が目に見えて発達する時期です。
個人差が大きくなるころでもあり、赤ちゃんの発達を観察しながら、成長に合わせた関りをしていきましょう。
手指の細かい動きが可能になる
指先までの神経が発達し、手指の細かい動きが可能になります。
これまでは物をつまむときには5本の指を使っていましたが、11ヶ月前後から親指と人差し指だけでできるようになり、小さな物もつまめるようになります。
- 10~11ヶ月
- 親指と人差し指で物をつまむ
- 積み木を重ねようとする
- 器に入っている物を取り出す など
- 11~12ヶ月
- 小さなものをつまんで容器に入れる
- 絵本のページをめくる
- 積み木を2個程度重ねる など
入れる器をガラス瓶にしたり、中身が見えない箱にしたりとバリエーションを替えてみましょう。
物をつまんで入れる行為だけでなく、入れたときに鳴る音にも興味津々になります。
1人遊びができるようになる
10~11ヶ月ごろから、短い時間ですが1人遊びができるようになります。
これは、集中力が発達したことの現れです。
自分で工夫しながら遊ぶことは、個性を生みます。
夢中になっているときには、なるべく干渉せずに好きなだけ遊ばせるようにしましょう。
1人遊びをしていても親や保育者は赤ちゃんの目の届くところにいるようにしましょう。
大人がいないと赤ちゃんは「放っておかれている」と不安になってしまいます。
見守られている安心感の中でこそ、のびのびと1人遊びができるのです。
つかまり立ちと伝い歩き
主な移動手段は四つばいや高ばいですが、それと並行して10ヶ月ごろからテーブルや椅子に手をついて立つ「つかまり立ち」が始まります。
つかまり立ちができたら、そのままの体制で壁などにつかまって歩く「伝い歩き」に成長していきます。
まず、お座りの姿勢から、テーブルや椅子などに両手をついて立ち上がります。
最初は尻もちをついたり、つま先立ちになったりしますが、繰り返すことで足の裏全体に重心を置いて立てるようになります。
次第にテーブルや椅子、壁などに両手をつきながら歩けるようになります。
一歩から始まり、少しずつ歩数が増えていきます。
中には、手をつかずにそのまま1人歩きができる赤ちゃんも出てくる場合もあります。
パラシュート反応
つかまり立ちができるころになると、転んだり、前のめりになったりしたときに、本能的に手を出して身体を支える「パラシュート反応」が現れます。
これによって転んでも頭を打ったりすることなく、自分の身を守ることができるようになります。
パラシュート反応の確認の仕方は、うつぶせになっている赤ちゃんを後ろから持ち上げ、そのままの姿勢で下ろします。
このときに、身体を防御するようにパッと両手を出すようであれば、パラシュート反応ができています。
1人で立つ
つかまり立ちや伝い歩きが安定すると、何にもつかまらずに1人で立ち上がるようになります。
また立った姿勢からしゃがんでおもちゃを取る、立った状態で振り返るなど「立ちながら~する」という動きも上手になってきます。
立つ動きは赤ちゃんにとっては、怖くて勇気がいる行動です。
1人で立ったり、つかまり立ちや伝い歩きができたときには、沢山ほめてあげましょう!
嬉しくなってもっと上手にやってみようという意識が芽生えますし、次の段階である「1人歩き」への意欲に繋がっていきます。
6~9ヶ月の発達のめやす【ことば】

この時期は、声を出したりすることで、自分の意志や欲求を伝えようとします。
喃語などに対して大人が気持ちを汲み取って、言葉を返していくことで、子どもはコミュニケーションや言葉の意味に目覚めていきます。
喃語や声マネが盛んになる
「ダーダーダー」「マンマンマン」など音を反復する喃語が話せるようになります。
また、大人の話す言葉を聞くと、そのマネをして意味のない声を出すようになります。
これは「音声模倣」といって、言葉を話す基礎になります。
赤ちゃんの喃語に応えるとともに、赤ちゃんがマネしやすい言葉を選んで、沢山話しかけましょう。
赤ちゃんの言葉をマネすると、嬉しくなってもっと言葉を発するようになります。
欲求を声で伝える
7ヶ月を過ぎると、何かをしてほしいときに意識的に声を出してアピールするようになります。
大人がその欲求を満たしてあげると、赤ちゃんはさらに自分の思いを伝えようとします。
これを繰り返すことで、言葉によるコミュニケーションの楽しさを覚えていくので、赤ちゃんの欲求にはできるだけ応えていきましょう。
「伝えたら応えてくれる」とわかると嬉しくなり、もっと伝えようとしてくれます。
言葉の意味がわかり始める
生活に密着した言葉が少しずつわかるようになってきます。
例えば「ダメだよ」と言うと動きを止めたり、「マンマだよ」と言うとテーブルに向かっていったりします。
また、自分の名前が呼ばれると意識的に振り返るようになります。
9~1歳の発達のめやす【ことば】

言葉の理解が急速に進んでいきます。
大人が話している言葉の意味がわかるようになってきたり、行動に意味があることを理解したりするようになります。
意味のある言葉が現れる
意味のない喃語が盛んですが、10~11ヶ月ごろになると「マンマ」「パパ」といった意味のある言葉が出てきます。
発達には個人差がありますが、一般的には1歳1ヶ月ごろまでには意味のある言葉が現れます。
赤ちゃんの言葉が増えるように「ワンワン」や「ニャンニャン」など発音しやすい言葉や赤ちゃん言葉を選んで話しかけましょう。
わかる言葉が増える
赤ちゃんは言葉を「話す」よりも「理解する」能力の方が先に発達していきます。
特にこの時期は、沢山の言葉がわかるようになる時期です。
日常の行動や感情、物の言葉をわかりやすく伝えながら、赤ちゃんがわかる言葉を増やしていきましょう。
何かを伝えるときにはジェスチャーを活用しましょう。
目と耳の2つから情報を得ることで、もっと理解しやすくなりますよ!
指さしは赤ちゃんの言葉
10ヶ月ごろから、おもちゃを指さして「これがほしい」という意思表示をするようになります。
さらに大人なに興味を持ってほしいものを指さすなど「指さし」を通して、自分の気持ちを伝えてきます。
赤ちゃんが指さしをしたら、対象の物の名前を教えながら、赤ちゃんの気持ちを代弁していきましょう。
この繰り返しによって、赤ちゃんの「わかる言葉」を増やすことができるので、指さしを「赤ちゃんの言葉」と考えていきましょう。
6~9ヶ月の発達のめやす【こころ】

運動面の発達にしたがって、何かに触ってみたい、関わってみたいという探索活動が活発に見られるようになります。
全身を動かし、手を動かし、身近な物のに触れるような環境を作ることで、赤ちゃんの意欲を引き出していくことが大切になります。
探索行動がスタート
お座りができるようになると、目の前の物に興味を持って手を伸ばす「探索行動」が始まります。
これは「目で物を確認する」動きと、「物との距離を考えて手を伸ばす」という動きが連動したことによるもです。
この探索行動によって赤ちゃんの世界はドンドン広がっていきます。
初めは物との距離感がなかなか取れないことが多いので、手に取りやすい位置に物を動かすなどサポートをしていきましょう。
短期記憶が生まれる
7ヶ月ごろになると目に見えている物だけでなく、その寸前にそこにあったものを覚える「短期記憶」が発達してきます。
例えばおもちゃをハンカチで隠すと、その下におもちゃがあると覚えているためハンカチを取って確認する動きが現れます。
特にこの時期の赤ちゃんが好きな遊びが「いないいないばあ」です。
何度やってもあきることがなく、手だけでなくタオルで顔を隠してみたり、反対に赤ちゃんの顔を隠してみたり色んなバリエーションで遊びを楽しんでいきましょう!
指さしを理解する
8~9ヶ月ごろから、大人が指さすと、指だけでなく指している先を見るようになります。
そしてそのこに「伝えたい何かがある」ということを理解し、同じものを見ているという感覚を持ちます。
この一連の行動を「共同注意」と言い、言葉を話す基礎になります。
指をさすときには、言葉とセットにして行いましょう。
注意を引きたい対象を言葉とセットにすることで「指さしているのが○○なんだ」とわかるようになります。
9~1歳の発達のめやす【こころ】

探索行動や自己主張が強くなってくる時期です。
赤ちゃんの行動には必ず意味があります。
その意味を読み取りながら関わっていきましょう。
探索行動が垂直方向へ
つかまり立ちや伝い歩きによって行動範囲が広がるとともに、探索行動がさらに盛んになります。
興味は垂直方向へ向かい、高いところに手を伸ばしてと取ろうとしたり、引き出しを開けて中身を出したりするようになります。
口に入れて確かめる行動もまだまだ続きます。
身の回りの危険なものは赤ちゃんの手の届かないように入れたり、テーブルの上に物を置きっぱなしにしないなど、落下物にも気を配りましょう!
大人のマネが上手になる
11ヶ月ごろになると大人がバンザイをすると赤ちゃんも手を上げるなど、大人の動きを盛んにマネするようになってきます。
これを「模倣行動」と言い、身体能力と言葉の理解力が発達したことがわかります。
赤ちゃんはこの時期に大人の行動を沢山観察しています。
「バンザイ」や「バイバイ」などのジェスチャーだけでなく、電話をする、お辞儀をするなど大人の日常的な行動もマネをするようになります。
自己主張が強くなる
言葉の理解力が高まると同時に、自己主張が強まります。
特に「○○がしたい」「○○がほしい」という欲求が高まり、それに対して反対されると、泣いたり、叫んだりして反発します。
赤ちゃんが泣いて自己主張をし始めたら、まずはその気持ちを受け止めましょう。
そして次に「今はどうするべきか」を伝えていくと、赤ちゃんの気持ちが和らいでいきます。
子育てを楽しみましょう

この半年間でかなりの成長が見られましたね。
伝い歩きなど身体の成長も素晴らしいですが、精神面の成長も凄いですよね!
いろんなところを探索したり、自己主張をしてみたりと大人が困る場面も出てくるかもしれませんが、温かく見守っていきましょう。
赤ちゃんの世界が広がるとともに危険な行動も増えますので、身の回りの物にも気を配っていきましょう。
今回の記事が皆さんの役に立てれば嬉しいです。
これからも子育てを楽しんでいきましょう!
ありがとうございました!